効果効能

イミグラン50mgは偏頭痛の痛みとそれに伴う症状の治療を目的とした薬です。

イミグラン50mgの作用機序

イミグラン錠の主成分であるスマトリプタンはトリプタン系薬剤に分類され、脳内のセロトニン(5-HT1B/1D)受容体を刺激する作用があります。
セロトニンは血管を収縮させる働きがあり、偏頭痛の原因となる脳の血管の異常な拡張や炎症を抑えることで、痛みや不快症状を軽減します。

トリプタン系薬剤は、通常の鎮痛薬(解熱鎮痛剤やNSAIDs)とは異なり、偏頭痛特有の血管の拡張や神経の炎症をターゲットに効果を発揮します。
このため、一般的な頭痛薬で改善しない偏頭痛に対して特に有効です。

イミグラン50mgの適応症

• 前兆(視覚障害やしびれなど)がある偏頭痛
• 前兆がない偏頭痛

※予防薬ではないため、頭痛発作が始まった直後に服用します。

使用方法

以下の服用方法を守ってご使用ください。

イミグラン50mgの飲み方(用法・用量)

服用時のポイント

• 発作の兆候を感じたらすぐに服用
  
  偏頭痛の前兆である「閃輝暗点(視界にチカチカした光やギザギザ模様が見える現象）」などの症状が出始めた時点、あるいは頭痛が始まった直後に服用することで、より速やかに効果を発揮しやすくなります。

  偏頭痛の痛みが強くなってから飲むよりも、早い段階で服用する方が症状を軽減しやすいため、発作の予兆を感じたらできるだけ早く飲むことが大切です。
  
  

服用頻度

イミグラン50mgは、頓服として使用してください。

副作用

イミグラン50mgの副作用は、通常軽度で一過性のものが大半ですが、観察を十分に行い、異常が認められた場合には服用を中止するなど適切な処置を行ってください。

イミグラン50mgの重大な副作用

• アナフィラキシーショック、アナフィラキシー
• 虚血性心疾患様症状
• てんかん様発作
• 薬剤の使用過多による頭痛

その他の副作用

他にも以下の副作用が報告されています。

禁忌

使用注意

併用禁忌

以下の薬剤との併用はお控えください。

エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤

• イソプロピルアンチピリン・エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン(クリアミン)
• ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
• エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)
• メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(パルタンM)

これらの薬剤と併用すると、薬理作用が重なって血管収縮作用が強まり、血圧の上昇や血管のけいれん(攣縮)が強く現れるおそれがあります。
そのため、本剤を使用した後にエルゴタミンまたはその誘導体を含む薬を使用する場合、あるいはその逆の順序で使用する場合は、必ず24時間以上の間隔をあけてください。

5-HT1B/1D受容体作動薬

• ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
• エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)
• リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)
• ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)

他の5-HT1B/1D受容体作動型の偏頭痛治療薬と併用すると、薬理作用が重なり合ってお互いの効果が強まり、血圧の上昇や血管のけいれん(攣縮)が起こりやすくなるおそれがあります。

そのため、本剤を使用した後に他の同系統の薬を使用する場合、またはその逆の場合には、必ず24時間以上の間隔をあけるようにし、24時間以内の併用は避けてください。

MAO阻害剤

MAO阻害剤を併用すると、本剤の代謝が抑えられ、その結果、本剤の作用が強く現れる可能性があります。

具体的には、本剤の消失半減期(t1/2)が延び、血中濃度－時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるため、MAO阻害剤を服用中の方、あるいは服用を中止してから2週間以内の方は、本剤を使用しないでください。

併用注意

以下の薬剤と併用する際は、ご注意ください。

SSRI、SNRI

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

• フルボキサミンマレイン酸塩
• パロキセチン塩酸塩水和物
• セルトラリン塩酸塩

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

• ミルナシプラン塩酸塩
• デュロキセチン塩酸塩

セロトニンの再取り込みを阻害する薬剤は、脳内のセロトニン濃度を高める作用があります。
そのため、本剤と併用するとセロトニンの作用が過剰になり、相互に影響を及ぼす可能性があります。

この併用により、「セロトニン症候群」と呼ばれる症状があらわれることがあり、不安、焦燥感、興奮、脈が速くなる(頻脈)、発熱、反射の過敏(反射亢進)、ふらつき(協調運動障害)、下痢などの症状が見られることがあります。
こうした症状が現れた場合は、速やかに適切な対応が必要です。

痙攣の閾値を低下させる薬剤

痙攣の閾値を低下させる可能性があり、てんかん様発作がおこることがあります。

保管方法

• 高温、多湿、直射日光を避けてください
  
  医薬品は、光や温度、湿度など外的要因によって効能が落ちる可能性があります。
  特に指示がない場合は、直射日光や高温を避けて、室温(1～30℃)で保管してください。
  
  

• 冷所での保存は避けてください
  
  特に冷所保存の指示がない場合、冷蔵庫で保管する必要はありません。
  
  

• 子どもの手の届かないところに保管してください
  
  子どもの誤飲を防ぐため、手の届かない高いところなどに保管してください。
  また、子どもの目を引くようなお菓子の缶などで保管しないよう注意してください。
  
  

• 期限の切れた薬剤は使用を控えてください
  
  医薬品の使用期限は必ず守ってください。
  使用期限が過ぎた医薬品は、効果が落ちてしまったり、思わぬ副作用が発生する場合があります。
  服用前に使用期限を確認してからご使用ください。
  
  

• 容器の入れ替えはお控えください
  
  それぞれの医薬品に応じて包装に工夫がされていますので、シートから出したり、別の容器に移し替えて保管しないでください。
  中身や使用方法がわからなくなってしまう場合があります。
  誤用を防ぐためにも、元の容器のままご使用ください。
  
  

• 医薬品以外のものと一緒に保管しないでください
  
  食品などと一緒に保管すると、誤用してしまう恐れがあります。
  
  

• 余った医薬品は、適切に処分してください
  
  飲み残したものや期限が切れた医薬品は、処分してください。
  処分方法に不安がある場合は、薬剤師に相談してください。
  
  

参考サイト

当商品ページは、これらのサイトを参考として制作しております。

イミグラン - GSK
医療用医薬品 : イミグラン - KEGG
患者向医薬品ガイド：イミグラン50 - くすりの適正使用協議会(RAD-AR)