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利胆薬の作用機序を徹底解説|適応となる疾患も紹介

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利胆薬の作用機序を徹底解説|適応となる疾患も紹介

「利胆薬ってどんなメカニズムで作用しているの?」
「利胆薬が用いられている疾患は?」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、胆汁の腸肝循環や胆汁酸の種類、利胆薬の作用機序について徹底解説。
利胆薬が適応となる、コレステロール系胆石症・原発性胆汁性胆管炎・慢性肝炎についても紹介します。

本記事を読めば、利胆薬やその適応疾患について理解を深められます。
興味がある人はぜひ最後までご覧ください。

胆嚢とは?

胆嚢は、肝臓の下に位置している袋状の臓器です。
胆嚢からは「胆嚢管」という一本の管が出ており、肝臓から出ている「総肝管」という管と合流します。
そして、「総胆管」という一本の管となり、消化管を構成している十二指腸の「Vater乳頭」という場所に繋がっています。

胆嚢の主な役割は、肝臓で産生される液体「胆汁」の貯留と濃縮です。
胆汁は、「肝臓→総肝管→胆嚢管→胆嚢」という流れで胆嚢まで到達します。
その後、「胆嚢→胆嚢管→総胆管→十二指腸」という流れで、消化管に放出されます。

胆汁酸の種類

肝臓でつくられ、胆嚢から放出される胆汁には、脂肪やタンパク質の消化を促すという働きがあります。
胆汁にはいくつかの物質が含まれますが、そのうちの一つが胆汁酸です。

胆汁酸には以下の5種類があります。

  • コール酸(CA)
  • ケノデオキシコール酸(CDCA)
  • デオキシコール酸(DCA)
  • リトコール酸(LCA)
  • ウルソデオキシコール酸(UDCA)

以上のうち、コレステロールを原料として肝臓で合成されるのが、コール酸とケノデオキシコール酸です。
そして、コール酸をもとにしてデオキシコール酸が、ケノデオキシコール酸をもとにしてリトコール酸とウルソデオキシコール酸が合成されます。

5種類の胆汁酸はそれぞれ疎水性が異なり、疎水度が強いものほど細胞毒性(細胞を傷害する性質)が高いです。
具体的には、以下の順で細胞毒性が高まっていきます。

ウルソデオキシコール酸→コール酸→ケノデオキシコール酸→デオキシコール酸→リトコール酸

細胞毒性の違いは、利胆薬の効果を理解するうえでも重要なポイントです。

腸肝循環の流れ

胆嚢から放出された胆汁は、腸肝循環という経路を経て再利用されます。
具体的な流れは以下の通りです。

  1. 胆汁が肝臓で合成され胆嚢から放出される
  2. 十二指腸を経て小腸に到達し脂肪などの消化吸収を助ける
  3. 腸内細菌の働きにより胆汁酸の合成が起こる(コール酸→デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸→リトコール酸・ウルソデオキシコール酸)
  4. 腸管から吸収され門脈(肝臓へ向かう静脈)に取り込まれる
  5. 肝臓で再利用される

胆汁の再利用率は、なんと95%以上です。

しかし、加齢などにより肝臓の機能が低下すると、胆汁の流量が低下してしまいます。
その結果、胆嚢で胆汁の流れが滞り、胆石(胆汁の成分が固まって石のようになったもの)ができやすくなります。
また、脂肪の消化吸収もうまくできなくなるのです。

利胆薬の作用機序

利胆薬として代表的なものは、ウルソデオキシコール酸製剤である「ウルソ」と、ケノデオキシコール酸製剤である「チノ」です。
このうち、特に広く使用されているウルソについて、作用機序を紹介します。

経口摂取されたウルソデオキシコール酸は、腸管に到達するとすみやかに吸収されます。
そして、そのまま腸肝循環へと入っていくのです。

ウルソデオキシコール酸の作用は、それ自身が胆汁酸として働くだけではありません。
ウルソデオキシコール酸は細胞毒性が低いため、肝臓を構成する肝細胞の機能を改善します。
その結果、胆汁分泌が促進されるのです(この作用を「利胆作用」と呼ぶ)。

胆汁分泌が亢進すると、胆汁の滞りが改善されるため、胆石の溶解が期待できます。
また、脂肪の消化吸収もスムーズになるため、胃もたれや消化不良といった症状の改善も見込めます。

利胆薬の適応疾患:①コレステロール系胆石症

胆汁の滞りにより形成される胆石は、構成成分から以下のように分類されます。

分類 コレステロール結石(約60%) 色素結石(約40%)
純コレステロール石 混成石 混合石 ビリルビンカルシウム石 黒色石
頻度 約10% 約10% 約40% 約20% 約20%
成分 純コレステロール 純コレステロールをビリルビンカルシウムが囲む コレステロールとビリルビンが混じる ビリルビンとカルシウム

※ビリルビン:酸素を運んでいる赤血球が壊れた時にできる色素

利胆薬はこれらのうち、コレステロール結石に対して用いられています。
胆石症は、胆石の発生部位により以下の3つに分けられます。

  • 胆嚢結石
  • 総胆管結石
  • 肝内(胆管)結石

それぞれについて見ていきましょう。

①胆嚢結石

胆嚢結石は、胆石症のうち約70%を占めています。
構成成分としてはコレステロール結石が多いです。

胆嚢結石は多くが無症状ですが、しばしば食後に胆石発作を引き起こします。
胆石発作では、胆嚢の内圧が上昇することにより、右季肋部(肋骨の下)痛や悪心・嘔吐が生じます。
これらの症状の持続時間は、およそ数十分から4時間です。

②総胆管結石

総胆管結石は、胆石症のうち約14%を占めています。
構成成分としてはビリルビンカルシウム結石が多いです。

総胆管結石が存在すると、急性胆管炎という疾患を発症するリスクが高まります。
急性胆管炎では発熱や腹痛、黄疸(眼球や皮膚が黄色くなる)といった症状が生じ、重篤なケースでは意識障害もみられます。
適切な処置が行われないと急速に悪化する、怖い疾患の一つです。

③肝内(胆管)結石

肝内(胆管)結石は、胆石症のうち約3.5%を占めています。
構成成分としてはビリルビンカルシウム結石が多いです。

肝内(胆管)結石は再発率が高く、なかなか治らないことで知られています。
しかし、肝内胆管癌という悪性腫瘍を合併する場合が少なくないため、決して無視できない胆石症です。

利胆薬の適応疾患:②原発性胆汁性胆管炎

原発性胆汁性胆管炎とは、慢性的に胆汁が肝臓の中でうっ滞する疾患です。
中年女性に起こりやすいと報告されています。(男女比1:7)

原発性胆汁性胆管炎で生じる症状は以下の通りです。

  • 皮膚搔痒感(初発症状)
  • 黄疸
  • むくみ(進行すると)

ただし、実際には早期に診断されるケースが多く、無症状であるものが約80%です。

原発性胆汁性胆管炎を発症するメカニズムとして、免疫システムが自分自身の組織を攻撃してしまう、自己免疫的機序が想定されています。
そのため、関節リウマチや慢性甲状腺炎(橋本病)といった、自己免疫疾患を合併しているケースが多いです。

利胆薬の適応疾患:③慢性肝炎

慢性肝炎とは、肝臓に発生した炎症が6ヵ月以上持続する疾患です。
原因は様々考えられますが、日本国内ではC型肝炎ウイルス(70%強)・B型肝炎ウイルス(20%弱)によるものが大部分を占めています。
その他、自己免疫性肝炎やアルコール性肝障害、薬物性肝障害などが挙げられます。

慢性肝炎は自覚症状が少なく、健診などで肝機能異常を指摘され、発見されるケースが多いです。
ただし、持続する全身倦怠感や食欲不振がみられる場合もあります。

慢性肝炎において重要なポイントは、長期経過にて肝硬変や肝細胞癌といった疾患へ進行しやすい点です。
肝硬変では、肝臓の線維化が進んで正常な肝組織が失われ、不可逆的に肝機能が低下してしまいます。

肝細胞癌はその名の通り、肝細胞からなる悪性腫瘍です。
早期(ステージⅠ)においても、5年生存率が約60%と報告されています。
治療法は以下の通り様々です。

  • 手術療法(肝切除)
  • ラジオ波熱凝固療法
  • 肝動脈化学塞栓療法
  • 薬物療法
  • 肝移植
  • 緩和ケア

これらの治療法の中から、肝予備能(肝臓に残されている機能)・腫瘍数・腫瘍の大きさなどをもとにして、最適と考えられるものが選択されます。

利胆薬の副作用

利胆薬の副作用として、以下が報告されています。

  • 下痢
  • 腹痛
  • 悪心・嘔吐

また、頻度は稀であるものの、薬剤に対する過敏症として以下の症状が生じる恐れがあります。

  • 発疹
  • 痒み

これらの症状がみられた場合は、医療機関を受診して相談しましょう。

まとめ:利胆薬で肝・胆疾患を治療しよう

肝臓にて合成された胆汁は、胆嚢で貯留・濃縮された後に放出されます。
利胆薬とは、胆汁の流れを改善する働きを持つ胆汁酸製剤のことです。

利胆薬は、コレステロール系胆石症や原発性胆汁性胆管炎、慢性肝炎といった疾患に対して用いられています。
副作用に注意しつつ、利胆薬で肝・胆疾患を治療しましょう。

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